この道より     武者小路実篤

この道より
我を生かす道なし
この道を歩く。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

 新村堂(新しき村東京支部)
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-11 メゾン・ド・ヴィレ801号室 
電話 03-3261-4913(木曜会・月例会を開いている時間帯のみ通じます)

最寄の駅は、東京メトロ三田線・新宿線・半蔵門線「神保町駅」です。
A1の出口からですと、歩いて1分もかかりません。
JR「水道橋駅」または「御茶ノ水駅」からですと、歩いて20分位です。

ロック式なので、玄関を入ったら右手の装置で室番「801」を押し、次に「呼出」ボタンを押して下さい。
常時は人がいないので、時間前だと応答がなく入れないことがあります。
●木曜会
毎週木曜日 午後6時~8時
(ただし、1月の第1木曜、12月の最終木曜には開きません。)
●月例会
1月、4月を除く毎月第1日曜日 午後2時~4時
(1月は第2日曜に開きます。)

いずれも、思っていることを話したり意見を交換したりする、懇話会です。
新しき村に興味のある方のご参加を歓迎します。

地図 新村堂:
地図だけ新村堂2014

ある日の木曜会:
木曜会の様子

 老いたるレンブラント    武者小路実篤

老いたるレンブラントは
一心に画をかいてゐる。
誰もわかつてくれるものはない
だが彼は一心に画をかいてゐる。
知己を求める気もなく、
自慢する気もなく、
金をとる望みもなく、
その他のぞみもなく、
たゞ一心に画をかいてゐる。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

英訳・新しき村の精神

The Spirit of Atarashiki Mura(New Village)

Our ideal is for the people of the entire world to fulfill their God-given destiny,and for each individual to fully develop his or her innate self.

Because of this,we,in the process of developing our own selves,must do no harm to the selves of others.

Therefore,we will develop our selves in a just and proper way.We,in the pursuit of our own pleasure,happiness or freedom,must not obstruct others in their just demands and in their efforts to achieve their God-given destiny.

We shall endeavor to live our lives so that all the people of the world will have this same spirit and will live this same kind of life;so that all the people of the world will fulfill their duties,enjoy freedom,will be able to live life in a just way,and fulfill their God-given destiny(which includes the development of each person's individuality).

Those who strive to live in this way,those who belive in the possibility of this way of life ,those who pray that all the people of the world will put this way of life into practice,those who earnestly hope for this new world are members of Atarashiki Mura.They are our brothers and sisters.

Therefore,we believe that when there are no more wars among nations,when there are no more class struggles,when all people endeavor to live righteously――actually begin to live righteously,when such people really cooperate with each other,then the world we desire will come.And we will spare no effort to bring this kind of world into existence.

translated by William G.Kroehler

  かくて私は私     武者小路実篤

私は一人静かに机に向つて
正直に自分の思つていることを
何のこだわりもなく
かけるのを喜んでいる。

私は新しき村の仕事を始めたが
演説会をしても
集つてくるものは少ない
雑誌を出しても読む人は実に少ない
だが自分はそれで少しも悲観してはいない。
おかげで僕は時間持ち
自分の思う通りに生活して
自分の思う通りの仕事が出来る。
誰の事を考えても
正直にかきたいものがかける
この事は実にありがたい。
何にものにも変えがたい
私は死後に
多くの読者を喜ばす事が出来ることを
空想するが、
それが出来ないでも
私はうそを書かないですめた事を喜び、
誰にも邪魔されずに
机に向える事を喜んでいる。

百万人の仲間が出来ても
嘘をついたり
心にもない行動をとつたり
余計なことを言わされては困る。
私は一人の読者がなくとも
正直にものがいいたい
又正直な画がかきたい
それが出来る自分を
この上なく喜んでいる
かくて私は私である。
ありがたき哉。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

 達人は     武者小路実篤

達人は力一杯の仕事もすれば
又やさしく
竪琴をかきならすことも
知つてゐるものだ。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

 遠大な志     武者小路実篤

遠大な志をもち
思慮ぶかくして
鉄の如き意志を有し
しかも快活にしてほがらかな心をもつ
新しく生まれた種族よ。
自分は君達のくるのを待つてゐた。
祝福をおくる。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

生長 武者小路実篤

 生長     武者小路実篤

どうしてもとゞかなかつた枝に
ふと手をあげて見たら
楽にとゞくやうになつた。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

 矢を射る者     武者小路実篤

俺の放つ矢を見よ。
第一のはしくぢつた、
第二の矢もしくぢつた、
第三の矢もまたしくじつた。
第四、第五の矢もしくじつた
だが笑ふな。
いつまでもしくぢつて許りはゐない。
今度こそ、
今度こそと
十年余り
毎日、毎日
矢を射つた。
まだ本物ではないにしろ
たまにはあたりだした
見よ
今度の大きな矢こそ
人類の心の真たゞなかを
射あてゝみせる
そしてぬけない矢を
俺の放つ矢を見よ。

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

 師よ師よ     武者小路実篤

「師よ、師よ
何度倒れるまで
起き上らねばなりませんか?
七度までゝすか?」

「否!
七を七十倍した程倒れても
なほ汝は起き上らねばならぬ」

(『詩千八百』「武者小路實篤全集」第11巻、小学館、1989年)

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